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26.「働き方改革」労働局、労基署の利用

前回は、労働基準監督署(以下労基署)による調査、指導について書きました。
監督署は、調査・指導・是正勧告をするだけでなく、法などの周知、企業の労働環境改善へのアドバイスをする業務も行っています。ですから、積極的に労基署を活用することをお勧めします。最新の法改正、通達、ガイドラインの情報入手や、それらへの対応ポイントを教わることもできます。また、社内の制度を作成する際や変更する際に気楽に相談することが可能です。現時点で、不安な点やグレーなところの適正化へのアドバイスをもらうこともできます。

もしも調査が入った時点で、完全に法的要求を満たすところまで改善が進んでいなくても、労基署と相談の上で改善を進めている最中であれば、それなりの対応をしていただける可能性があるでしょう。
また、私が実務を担当していた時には、相談しにくい問題・判断に迷う問題などについては、県内の管轄地域外の労基署に匿名で相談していました。

県の労働局でも「静岡県労働法セミナー」を開催しています。
労働法の原理、最新の法・通達・指針の解説、行政による指導のポイントなどを学ぶことができます。参加者は、企業の経営者・人事労務担当者だけでなく、労働組合からの参加者がいて、大体半々になるように調整しているようです。
3回(1日のセミナー全3回、東部、中部、西部の3会場で開催)の講座で、参加費は無料です。毎年7月頃にホームページに公開されます。人事労務担当者の方々にはぜひ一度は参加していただきたいと思います。

(参考まで)県労働局のホームページより
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-210/roudouhou.html
29年度の労働法セミナーは、「労働法制の基礎」「多様な働き方に関する法律」「労務管理・職場環境に関する法律」の3つのテーマについて、大学准教授、静岡労働局職員や社会保険労務士を講師に迎え、労使トラブルになりやすいポイントをわかりやすく解説します。労働問題に関心のある方なら、どなたでも参加できます。参加は無料です。奮ってご参加ください!
 

Topics : absenteeism と presenteeism

欠席を意味するアブセンティズム(absenteeism)は、欠勤や休職、あるいは遅刻早退など、職場にいることができず、業務に就けない状態を意味し、従来はこの予防と対策がメインに行われていました。日本人労働者は、概して勤勉なのでアブセンティズムが大きな話題になることはありませんでした。

一方、上記の反対語のプレゼンティズム(Presenteeism)という言葉が言われるようになりました。プレゼンティズムとは、「出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、充分にパフォーマンスが上がらない状態」を言います。

日常生活のストレスや、睡眠時無呼吸症候群などの要因による疲労感の蓄積、睡眠不足で、仕事の効率が著しく妨げられ、ミスや事故の原因にもなっています。
社員の健康に対して効果的な施策を行わないでいると、将来の疾病に結びつき、長期の離脱を招きかねません。社員一人一人が自己責任で健康管理するように指導するだけでなく、会社も積極的にかかわることで、日々のパフォーマンスを維持・向上させることが必要です。

常時50人以上の労働者を使用する事業場(会社全体ではなく、事業所単位です)においては、衛生管理者を選任しなければなりません。また、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師である産業医も専任の義務があります。選任事業所であれば、衛生管理者・産業医の協力を得て対策が取れます。50名未満の事業所では、人事労務担当者が中心になって進める必要があります。健康保険組合では、組合のスタッフを直接事業所へ派遣し社員の生活習慣等の改善を手伝う「事業所訪問保健指導」を推進しているところがあります。問い合わせをして、可能ならば積極的に利用することをお勧めします。
 
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また、「働き方改革」を進めるうえで障害となるのが、「だらだら残業」と「帰りたくない症候群」です。
「だらだら残業」は、終業時間内はだらだらと仕事をし、夕方から終業時間後に急に忙しそうに仕事をしている(ふりをする)ことを言います。その人の長年しみついたの仕事のやり方なのでしょうが、会社としても遅くまで残業することを評価する風土があるのかもしれません。

「帰りたくない症候群」は、会社にいることが快適であるのか、あるいは家に帰りたくない気持ちがそうさせていると思われます。冷暖房も完備し、事務機器もあり居心地がいいとの理由で土曜、日曜も会社に出てくる人もいます。上長は日々の業務報告を求めること、時刻を決めてオフィスを閉鎖する対策が必要でしょう。

次回「第27回『働き方改革』着手の前に検討しておくべきこと」は11月16日掲載の予定です。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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