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Vol.6 学生に「選ばれる」会社になるには

今年度の採用活動は昨年以上に学生の売り手市場と目され、母集団確保の段階から早々に苦戦を強いられている、という声が聞こえてきています。このまま採用活動が進んでいけば、例年以上に重複内定を持つ学生が増えることは間違いないでしょう。今回は、重複内定を持つ学生が増えるという前提に立ち、「学生たちから選ばれる会社になる」ことを考えてみたいと思います。

面接風景

「学生たちから選ばれる会社になる」ためには、重複内定がわかってから行動を始めるのではなく、採用活動の初期段階から重複内定になることを想定して手を打っていく必要があります。
まず、自社の強みと弱みを把握していますか? 「残業が多い」「給料が安い」「仕事が大変」など、弱みばかりに目が行き、自社の強みを把握していないケースが意外にも多いと感じます。ある会社は、その分野では日本で五指に入る技術を持っていながらそのことを知っている社員がほとんどおらず、採用活動にも反映されていませんでした。また別な会社では、とても風通しがよい社風で社長から若手社員まで自由闊達に意見が言い合える風土でありながら、それが当たり前になってしまったためにそのことがどれだけ価値のあることなのかがわかっていませんでした。
 

こうした「自社の強み」が把握できれば、それに共鳴してくれる学生たちが「この会社は他社とは違う」と意識してくれる可能性が出てきます。単純に「自社の強み」として伝えるのではなく、その強みが「ひとごと」ではなく「自分ごと」であると意識してもらうことが大切です。そのためには、個々の学生が何を就活の軸にしているかを知り、それに合わせて自社が提供できる「強み」が何であるかを伝えていく必要があります。高収入を求める学生には、残業が多い代わりに残業手当がもらえることがメリットになるかもしれません。ワークライフバランスを求める学生には、給料が安くても残業が少ないことが響くかもしれません(もちろん高収入で残業が少ないのが一番ですが、学生たちに対して、そんなに都合のいい会社はそうあるものではない、という話はしてもいいと思います)。成長を望む学生たちには、厳しい環境はむしろプラス材料になるはずです。このように、個々の学生たちが何を求めているかを把握し、それに対して自社に就職した場合、何が満たせるのかをしっかりと伝えていくことが重要だといえるでしょう。
 

ただ、1つ忘れてはならないのは、学生に振り向いてもらうために必要なことは説得ではなく納得である、ということです。人は、説得されることが好きではありません。重複内定を得た学生に対して説得を試みたとき、一旦はそれに応じたとしても、入社後、ひとたび壁にぶつかれば、その事実はマイナスにしか働かないでしょう。反対に、納得して入社したのであれば、壁にぶつかったとき、その事実はきっとプラスに働きます。自分で納得して決めた、ということが大切なのです。

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また、自社の強みを探っていく際、「ジョハリの窓」と「リフレーミング」という考え方を意識してみることをお勧めします。「ジョハリの窓」はご存知の方も多いかと思いますが、人には「開放の窓」(=自分にも他人にも見えている部分)、「秘密の窓」(=自分には見えているが他人からは見えない部分)、「盲目の窓」(=自分には見えていないが他人からは見えている部分)、「未知の窓」(=自分にも他人にも見えていない部分)の4つがあるとする考え方です。会社に置き換えても全く同様で、自社のよいところは自社の社員が一番よく知っているかといえば決してそうではなく、「盲目の窓」にあたる情報をお客様や仕入れ先、取引業者から得て、強みとして認識していくと、今まで気づかなかった面が見えてくることでしょう。
 

また、「リフレーミング」とは、ある視点から見たときにマイナスと感じられる材料も、切り口を変えればプラスに転じることができる、という考え方です。これは実際にあった話なのですが、水産物や青果を扱う業界は朝が早く、「それが理由でなかなか若い人が来てくれないのだ」という声を聞くことがありました。ところが、これは切り口を変えると今の若い世代には大きなアピールとなります。朝が早い、ということは夕方には帰宅している、ということです。「子供とキャッチボールができる仕事」「家族みんなで食卓を囲める仕事」という切り口は、家族との絆を求める今の若者たちには訴求する可能性が高い提案ではないでしょうか。

仕事が厳しい職場でも、それを隠したり見せないようにしたりするのではなく、リフレーミングによって「厳しくも成長できる職場」と言い換えることができます。そうすることで、内定受諾者は厳しいことを承知した上で入社してきます。離職率の低下にもつながることでしょう。自社の離職理由になりやすい点は、伝えないよりも、むしろリフレーミングしてあらかじめ伝えておくことが効果的です。そのことが入社後の離職を回避することにもつながりますし、学生たちには誠意として受け止められるのではないでしょうか。
 

これも実際にあった話なのですが、残業が平均80時間に迫る会社で、すべての学生に対して選考の至る場面でそのことを伝えたところ、そうした厳しい職場でありながら離職率が10%以下に収まったという例があります。学生たちは少なくない残業時間を納得した上で内定を受諾してくれていました。また意外なことに、残業が多いことを知って去っていく学生よりも、「正直に話してくれたことに誠意を感じました」と、会社に対してより強い興味を寄せてくれた学生の方がはるかに多かったのです。

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また、人事担当者の人柄や人事担当者が学生に対して直接見せる誠意、というのも大切です。「人事担当者の誠実な対応からよい社風を感じ取りました」という理由で最終決定をされる学生さんは少なくありません。学生さんからの問い合わせに真摯に対応できるか、選考に落ちた学生に対して「サイレントお祈り」ではなくきちんと連絡をしているか、内定受諾を待ってほしいと言ってきた学生に対してオワハラをしていないか。確かに採用活動中の人事担当者のみなさまは非常に忙しく、ともすればつい会社の都合を持ち出してしまいたくなることもあるでしょう。
 

しかし学生たちを愛せない人事担当者が学生たちから愛されることはありません。そして、自分の会社を愛していない人事担当者の言葉には、学生たちも心を揺さぶられることはないでしょう。賃金にせよ、有給にせよ、産休・育休にせよ、入社後の人材育成プログラムにせよ、学生に対してPRできる材料を充実させていくことができるのは他の誰でもない、人事担当者です。人事担当者が自分の会社を愛し、良くしていくのだと固く決意して、経営層や社長とやり合ってでも胸を張れる会社にしたいと行動し、自信を持って自分の会社を学生たちに勧められるように変えていく、そんな仕事ができるのは、営業部でも開発部でもない、ほかならぬ人事担当者なのです。
 

部下を守れない上司には誰もついていかないように、社員を守れない人事にも、誰もついていかないことでしょう。よい会社を作るために人事担当者が真剣に考え、改善をしていくことで、すばらしい会社となっていき、いつか学生たちがこぞって入社を希望する会社になっていけば最高なのではないでしょうか。

 
 
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