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第16回 職場における小改善で効率アップ(2)

PDCA がんばるタイム(吉越流)

前トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長(現、吉越事務所代表)吉越浩一郎氏(*1)の言葉を紹介します。
「日本人はとにかく勤勉で、頑張る気持ちが強い国民です。ただ、この頑張る気持ちを残業ではなく、効率アップに向かわせられないものか。長く仕事をするのではなく、同じ時間でいかに速く効率よく仕事をするかを考えれば、この国は活性化されるはずです。」

まさに、「働き方改革」への取組に活かすべき重要な視点です。

今回は、吉越氏が、トリンプ時代に取り組んだユニークな仕組みのなかの「がんばるタイム」について取り上げます。
前回(第15回)に書きました【ワーキングアワーの中心時間】に取り入れたい考え方です。

吉越氏は、海外オフィスでの仕事の経験と、日本のオフィスでの仕事ぶりを比べて違和感を覚えたと言います。日本のオフィスがやたらざわざわしていて、人の動きも多く集中して仕事をしているようには見えなかったと言います。同僚が話しかけてきたり、電話がひっきりなしにかかってきたりで、本当に集中して仕事をしようとしていてもそれができない状況があったわけです。
職場内のコミュニケーションは必要です。しかし、悪気がなくてもお互いに集中したい時間をつぶしあっているように見えたわけです。

そこで12:30~14:30までの2時間を「がんばるタイム」と銘打って、私語の禁止、上司は部下に指示を出さない、電話・コピーも使用禁止にして「業務に集中」する時間としたのです。トップダウンで強引に進めたと語っていました。
さらにすごいのが、全国の営業所、物流拠点から取引先企業にも協力を求めて徹底を図ったそうです。
 
コラム写真01
朝の静かな時間に、早朝出勤して、集中して仕事をする社員もいるでしょう。しかしフレックスタイム制でその分早く退社できないようであれば、残業と全く変わらないのです。皆さんの企業で取り入れるには、ハードルが高いかもしれません。

しかし、まずはあなたのチームから、お互いに気を付けあって「集中して仕事をする時間帯」を確保して挑戦する価値はあると思います。成果が出たら、徐々に社内に広めていけばいいのです。集中を阻害する要因を排除して、仕事の効率アップにつなげる。それをチームメンバーの心遣いで皆が上げる成果を少しずつ積み増していく。その結果、残業削減として、18時になったら全館消灯することを無理やりしなくても、気持ちよく働いて、充足感をもって定時に帰社できるようになります。
決して不可能ではないでしょう。

(*1)吉越氏は「早朝会議」「完全ノー残業デー」「がんばるタイム」などユニークな仕組みを次々と打ち出し、19期連続の増収増益を達成しました。著書には『「残業ゼロ」の仕事力』(日本能率協会マネジメントセンター)と『デッドライン仕事術―すべての仕事に「締切日」を入れよ』(祥伝社黄金文庫) があり、ともにベストセラーになりました。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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