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第17回 職場における小改善で効率アップ(3)

テーブルとホワイトボードがほしい!

皆さんのオフィスはどういった環境でしょうか? 私が管理部門の長として働いていたオフィスは、建物の構造上、壁を壊すこともできない四角の小部屋でした。
その部屋に、私を含めて8人プラス社長(計9名)分のデスクがありました。社長は、別に社長室があったわけですが、管理部門の中の席で仕事をすることを好んでいました。なぜならば、私たちの会話や電話での受け答えを聞いていると、社内の生の姿・動きが見えるからです。チームメンバーにとっては、多分に気を遣う環境であったかもしれませんが、それは今回のテーマではないので……

さて、このような部屋ですから、ミーティングテーブルを置きたくてもスペースがありませんでした。一つだけ可能性があったのは、社内のコンピュータシステムのサーバが室内にあったことです。それらをセキュリティ上の観点と温度管理上の問題点から専用のサーバルームをつくり、そこに移すことになりました。これでテーブルを入れるスペースができました。ただし、椅子に座ってミーティングができるまでのスペースがありません。(私の部下たちは、社長に社長室で仕事をしていただくよう説得して欲しいと言ってきました。私は、皆の気持ちはわかるがそれはNoと回答しました)
そこで、机のレイアウト、棚・ラック、PC入力のステーションの再配置、頻繁に使用しない書類の書庫への保管で、何とか椅子とホワイトボード2枚のスペースを確保しました。(全員参加で知恵を出し合った結果です)
コラム写真01
ここからが私がやりたかったこと、やってみて成果のあったことの紹介です。

仕事をするにあたって、個人がデスクで集中する仕事、関係者が集まって相談・検討・決定する仕事の2種類があります。スポーツの譬えで言えば、ラグビーでのスクラム(集まって力を出す)とパスからの展開(個人の走力で勝負する)イメージでしょうか。

執務室の中にミーティングテーブルを置くことにより、必要な時に必要なメンバーを速やかに招集し合意形成をして、また個人のデスクにもどって役割をこなす。これを繰り返すことができます。別室(例えば会議室)を使うこともできるのですが、ポイントは、ミーティングテーブルで打ち合わせしている以外のメンバーにも、何の打ち合わせをしているかが見えていることなのです。助言や意見(賛否とも)があればいつでも割り込みOKとしていました。
また、ボリュームの大きいジョブについては、スケジュール表や手配物一覧、役割分担表などをホワイトボードに掲示していきました。これらは各自のPCからも見られるように情報共有していたのですが、まずわざわざ開いて見る社員はあまりいませんでした。そのため、2~3人でボード上の掲示物の前であれこれ相談するといった使い方の方がはるかに効果がありました。

チーム内で何が進行しているのか?自分がどうかかわっているのか?良い意見や知恵があったらいつでも言い出せる、業務の進捗が解る、といった、一見当たり前ながら、いわばプロセスの「見える化」ができていたのです。その場で、その時に、必要なメンバーで決定し、自分の分担の業務を進めていくことの繰り返しで、業務の停滞や後戻りがなくなりスピードもアップしました。
副次的な効果としては、同室にいる社長や部屋を訪れる他部門のマネージャーも、ボードの掲示物を眺めて、管理部門が日々の事務的ルーチン作業ばかりでなく、どのような仕事に取り組んでいるか、それが社員にどのように役立っているのかを理解してもらうこともできました。

私の頭の中には、「この仕事はAさんとB君の2人で協力してやってもらおう。こういう手順でこういった成果物に仕上げてほしい」とイメージはできているのです。しかしAさんとB君をテーブルに呼んで言うことは「こういう課題がある。知恵とパワーを貸してほしい」「何かいいアイデアはない?」です。3人で検討しながら成果物のイメージを膨らませ、業務分担も決めていくわけです。
やり方を指示されてやるのではなく、自分と共同作業者との意見を反映させたやり方で進める方がストレスなくできるものです。そして成果物のレベルも一段アップしたものになってきます。

一人の社員が仕事を抱え込んでいる時にも、その社員と私が見て協力できそうな何名かをテーブルに呼びます。困っていることを言語化してもらい、図示してもらいみんなで検討します。これだけのことでも、つっかえていたものが取れて仕事が進むことがあります。
もっと厄介な問題でも、ちょっとしたアドバイスや協力を他の社員に依頼するとゴールが見えてきます。
最終的には、組織(チーム)として成果を出さなければならないわけです。個々が自らの得意分野で貢献するとともに、チームメンバーへのちょっとした協力をしあうことで、チームの生産性は上がるものです。

そんなに予算もいりません。オフィス内の書類の分別・整理などの副次効果もあります。ぜひ、トライしてみてください。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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