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第18回 職場における小改善で効率アップ(4)

Thanks Card 利用のすすめ

コラム第13回で、生産現場での品質改善活動からスタートした、QC活動を支える問題解決のツールが「PDCA」だと説明しました。
人間、ひとりでできることはたかが知れています。より大きなことをするために仲間を集めて協力していく。これが会社という組織の目的ですよね。(company:仲間、corporation:協力)

仕事の内容がどんどん複雑化していき、かつスピードが要求されるようになりました。組織で働く社員にも、専門的な能力が求められるようになり、それを成果に結びつけるべく集中して仕事をする(=貢献する)環境が必要になりました。

一方、個人が上げる成果もそれ単独では組織の成果になりえません。その成果を上げるための条件を整えてくれる前工程の貢献、また、その成果を活かしてくれる後工程の貢献がなければなりません。そういった意味でのコミュニケーション(=貢献のリレー)が必要なのです。
コラム写真01
皆さんは、マネージャーが集まる会議が終了し、自分の部署に戻る時どんな顔をしていますか?どんな顔をしているか意識したことはありますか?部署のメンバーは自分たちのbossがどんな表情で戻ってくるか、注目しているものです。会議で集中砲火を浴びたとしても、一歩立ち止まって表情に注意しましょう。

また、ポジティブな発言を心がけてはいかがでしょうか。「Aさんの作ってくれた資料、とても役に立ったよ!」「Bさんの会議前の情報とても助かった!ピンチを脱出できたよ」などなど。
私は、以前はこういったこと、すなわちメンバーの貢献に対して、はっきり伝えることが苦手でした。やってもどこかぎこちなく、作為的な印象を与えかねないものでした。しかし、外資系の企業での経験が、その壁を打ち破るきっかけを与えてくれました。外国人スタッフは、ごく普通に ”Thanks!” “Good (Great) Job!” “You were helpful to ….” と言っていました。その文化に触れて、その会社では、日本人同士であっても、互いに協力に感謝する、良い点を見つけて称賛しあう文化が出来上がっていました。
皆さんが、自分の職場で実践することを継続すれば、良い影響は(時間がかかるかもしれませんが)確実に伝播します。

小道具を使うのも一案です。
私は外資系の企業から転職して静岡ローカルの中堅企業に行きました。前職の外資系の企業には、Thanks Card(写真左)というものがあり、カードの使い方から、カードをもらうとチョットしたお小遣いがもらえるといった仕組みまで決まっていました。
このThanks Cardを、いきなり転職先の企業で制度化/ルール化して始めるのも大げさで、変な「やらされ感」が出る心配がありました。そこで、キットカット(Nestle のチョコレート菓子)の個包の裏面にメッセージを書き込めるものがあることを知り、利用することにしました。(写真右)ポケットマネーで全員分8袋(一袋に15枚程度入っています)を買ってきて、全員に渡しました。自分で食べることは禁止。何か相手に感謝するときにメッセージを書いて渡すように指示しました。お菓子のやり取りですので、気軽に取り組んでくれました。
コラム写真01
第2弾では、ちょっとした仕掛けをしました。
今度は、他部門のマネージャーに一袋ずつ配って、「管理部門の社員が、何か皆さんの仕事上の役に立つ行動しているのを見かけた時に、簡単なメッセージを添えて渡してほしい」とお願いに行きました。思っていた以上の協力が得られて、チョコをもらうメンバーが出てきました。同時に部門間のコミュニケーションも改善されました。
具体的には、管理部門のメンバーが他部署のマネージャーにお願いがある時に、いくら直接口頭でと指導してもメールで済ませてしまうことが多かったのですが、きちんと相手の席に出向いて、お願いをする(のちに確認メールを送る)ことができるようになりました。いくら合理化、スピードアップといっても、依頼事項については(物理的に距離があって無理でない限り)直接顔を見てお願いするのがビジネス上のマナーであるという私の信念をメンバーが実行してくれました。

コミュニケーションがよいことと社員が仲良しであることとは違うと言われます。多少言いにくいことでも、相手のために躊躇せず言ってあげるところまでの関係性構築を目指していきましょう。

追記:第15回から今回まで、仕事上の効率アップに役立つヒントを書いてきました。次回からは、大きなテーマ「マネジメント」「個と組織」といった視点から働くことについて原理・原則から考えてみたいと思います。皆さんの感想意見などをお知らせください。

また、可能であれば月に1回、異業種ながら同職種の皆さんと勉強会(ワークショップ)を開催できればと考えています。ただ知識やテクニックを学ぶのではなく、原理・原則を理解し、自らの組織で実践してみる。フィードバックを行い再度学び、実践することを繰り返すのです。受講料と東京までの交通費を払ってセミナーに行かなくても地元で学び実践する機会を作ろうと思います。
首都圏と中部関西圏に挟まれた静岡県にあって、地域の企業を元気にすることが目的です。ぜひ、興味のある方はお知らせください。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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