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37.採用力について考える(2)

今回は、採用担当者に求められるスキルについて考えます。
人材の確保という企業にとっての重要な活動に対しては、かなりのパワーを必要とします。しかしながら、よほどの規模の企業でない限り、常設の採用チームをもつなどの余裕がないのが実情です。
採用活動シーズンになると、各部署から短期応援をもらって人事部が中心にチームを組織するケースが多いのではないでしょうか。もしかすると人事の責任者と経営陣のみで対応しているケースもあるでしょう。

そういった環境の中で、採用担当(チーム)にとって、どういったスキルが必要なのかを以下の4つのテーマで説明します。
1.情熱的対応力
2.冷静な判断力
3.寛容さ/忍耐強さ
4.自己認識(人を見るクセを知っているか)

 

1.情熱的対応力 (Passion)

人と接することが好きで、人の話すことをしっかり聞ける能力です。
会社説明会や選考の初期段階では、「採用の可否を握る決定者」という面をあまり表に出さず、「頼れる先輩社員」といった役割ができるかです。学生に対し、あなたのパーソナリティに興味がありますよ、というサインを出せるようになることです。
入社後にも何かと若手社員の相談役になっている先輩社員を、採用チームに入れるといいでしょう。
 

2.冷静な判断力 (Mission-oriented)

採用できる人数には限りがあります。新入社員を必要とする部署(業務)と充足している部署(業務)があります。
いくら優秀で採用したい学生がいても、採用計画(組織のニーズ)を最優先にしなければなりません。また、甲乙つけがたい候補者からどちらかを選択しなければならないような事態はよくあります。組織の要求する者を踏まえた上で、冷静な判断が求められます。

選考の最終段階では、学生が触れてほしくないと思っている点でも、企業にとって将来重要になる点があればきっちり質問しなければなりません。志望動機の再確認や志望順位など、聞きにくいことであっても質問するのが採用担当の責任です。
また、選考の結果が不採用であった場合には、その理由をはっきりと、丁寧に、学生の納得が得られるように伝える能力も必要です。
 

3.寛容さ/忍耐強さ (Tolerance)

「優しさと強さ」と言い換えてもいいでしょう。まだ社会人経験のない学生の言わんとすることをしっかりと聞いて、要点を引き出すことが必要です。
学生が十分に言葉にできないけれども、その学生の持っている良い点、強みを見出してあげることが必要です。それらと実際の業務との関連についても教えてあげることです。
面接官である前に、教育者的指導者としての役割が求められます。
 

4.自己認識 (Self-awareness)

採用活動において求められる自己認識力とは、自分の持っている価値観や判断基準をしっかり認識していること。そのうえで人物評価にあたっての評価の傾向・クセを知っていることです。
一般的な傾向として、笑顔や明瞭な発声、しっかりと背の伸びた姿勢、理路整然とした話し方が出来ている学生は優秀であり、社会人になった後も活躍できる確率は高いでしょう。しかしそうでない学生にも目に見えない資質が必ずあります。

そこでまず、あなたの判断基準がどの辺りにあるのか?採用チームや面接官それぞれの判断基準がどの辺りにあるのか?を認識することが重要になります。
最近の流行語でいうダイバーシティーを実現するためにも、選考に当たっては多くの価値観と判断基準を持った判定者の協議で決めなければなりません。
 
コラム写真01
以上4つのスキルについて説明しました。
長年、採用業務を担当して私が感じていたことは「難しさ」の一言です。選考の過程で、採用/不採用を決めた判断が正しかったかどうかを思い出して考え直すことはよくありました。
しかし、決定は覆すことはできないのであって、特に不採用とした学生さんが自社よりももっと活躍できる企業を見つけられたことを祈るしかないのです。
単なるスキルだけではなく、心理学、経営学(組織論、人材開発)、労働法規などの広い範囲の知識のバックボーンを持っていることも大切です。

企業説明会、選考、内定、新入社員教育、配属と続く一連の流れの中で、学生にとって最初に接触し、その後も直接的/間接的に接触し続けるのが人事(採用)担当者です。
自身の就職活動を思い出して、初心に帰るのも一つの大切な姿勢かもしれません。
 

Topics : 単純接触効果(mere exposure effect)

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したことから、別名「ザイオンス効果」とも呼ばれている心理効果のことです。文字通り、何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという効果です。

採用活動でも、はたまた恋愛を成功に導く手法にも応用できるかもしれません。商品の販売活動においても、TVのCMなどで繰り返し目に触れるものに知らず知らずのうちに好感度を持ってしまうことがあります。
合同企業説明会、大学主催の企業説明会、自社の説明会などを頻繁に訪れてくれる学生さんに対しては好感度が上がります。選考に入る前に、タイミングをみてしっかり学生さんにインタビューをして見極めることが必要になります。
 
特に注意しなければならないのは、その学生さんが本当に自社の求める人材像にあっているか?、学生さんのやりたいことと自社のやらせたいことに大きな乖離がないか?を早期に見極めることです。
ここに大きなギャップがあるまま選考に入らないようにしなければなりません。頻繁に訪問してくれる学生さんに対して、その好感度に採用可否の基準が引っ張られないよう注意が必要です。
もし自社の選考基準に合致しないと判断したならば、早めにその理由を学生さんに伝えることも必要です。

次回「第38回 採用力について考える(3)戦略的採用とは」は5月17日掲載の予定です。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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