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39.採用力について考える(4)

前回は、「戦略的採用」ということで、社内の人材の棚卸から、必要とする人材像と人数を明確にし、計画をたてて実行しフィードバックするプロセスを示しました。
すべて新卒採用で、計画通りの採用ができ、最適な人員構成を実現し、さらに内部昇進でマネジメント層(ミドル・トップ)を賄える企業は少ないと思います。
既存事業だけで成長し続けることが困難な時代です。新規事業への取り組みや事業承継を見据えた場合に、内部の人材の成長を待っていられないケースが出てきます。
こういったケースでは中途採用(キャリア採用)も有力な手段です。 また、最近注目の「第2新卒」についても考えてみます。

今回は、社内の人材を実務層とマネジメント層に分けて話を進めます。
 

1.実務層の採用

この層の採用は基本的に新卒採用に重点を置き、それでは間に合わない場合に、中途採用を考えるのが基本です。
そのためには、新卒採用で入社した社員が早期に退職することなく順調に成長していることが前提になります。ここは採用後の社内教育・社員育成の問題なので、別途、課題として取り上げることにします。
中途採用については、その人物のポテンシャルを重視した選考が大切です。前職での経験・知識を持っていることはプラスですが、それ以上に新しい仕事への柔軟な対応力と職場での人間関係を築く力をチェックしたいものです。また、採用後の職位、給与等級などの決定には配慮が必要になります。
 

2.マネジメント層の採用

この層は、実務層からの内部昇進で充足することが望ましいのです。しかしその職に求められる要件を満たすような人材がいない場合には、無理に昇進人事を行うより中途採用を利用する方がよいことがあります。
ひと昔前には、「地位が人をつくる」式の昇進決定が当たり前のように行われていました。部長職に必要とされる職務要件を満たすかどうかを検討することなく、部長になればそれなりの振る舞いをするようになって、その中で徐々に職責を遂行できるようになるだろう、というものです。市場や技術の変化の速い現在の環境では、このような昇進が業績が上がらない要因、周りの社員との不調和、さらにその社員のキャリアをつぶすことになりかねません。昇進人事の難しいところです。
そうなると中途採用で外部から適任者を探してくることになります。
ここでは即戦力が必須です。チームをまとめる力、チームで業績を上げる力、上位職に対しての折衝力、チームメンバーに対する指導・育成力、横のネットワーク(他部署との関係)構築力をしっかりチェックしなければなりません。採用後の職位、給与等級などの決定は、ある程度柔軟に考えてよいでしょう。

自社が望んでか否かの微妙な問題はありますが、取引先や金融機関からの人材の採用(受け入れ)も存在します。近年の事業環境の変化の速さを考えると、取引先や金融機関との関係が現状のまま続くかどうかは解りません。採用を決めるにあたっては、候補者の旧所属機関との関係性(いわゆるパイプ)よりもその人物がもっている専門性が自社のニーズと合致しているかを優先すべきです。
また、自社の組織内での人間関係を作れるかどうかでその採用の成否が決まります。採用するとなったら、素質のあるなしにかかわらず、企業文化(社風)を尊重し、配属職場での人間関係をスムーズに構築することを第一の課題にさせなければなりません。ここで失敗すると会社も、従業員も、当人も不幸になってしまいます。
 
コラム写真01
最後に、これまで触れてこなかった「第二新卒」について考えます。
第二新卒とは、学校卒業から1~3年のうちに転職する若者のこと。明確な定義があるわけではありませんが、おおむねこの解釈で定着し始めています。
社会に出た若者が数年で離職するケースは少なくありません。厚生労働省によれば、大学卒で就職しながら、3年以内に離職するケースは全体の約3割となっています。「3年3割」は現実なのです。(※「新規学卒者の離職状況に関する資料一覧」より)

このような大量の離職者の出現を受けて、第二新卒向けの転職サイトも増えていますし、紹介業者も積極的な事業展開をしています。
マスコミなどの記事でも、「かつては『3年以内で辞める若者』に対し、ネガティブなイメージが付きまとったが、近年は『第二新卒』として企業が積極的に採用する動きが出ている」という論調が見られます。しかしながら、再就職してもすぐに退職してしまう、社会人としてのモラルが低い、先輩社員の指導・アドバイスを素直に聞けないなど現実は厳しいようです。
一方で、最初に就職した企業がブラック企業であった、パワハラ・セクハラ等で職場環境が劣悪で退職を余儀なくされたというようなケースもあります。こういった新卒学生/新入社員の責任ではないところで発生した不幸な例もあるわけです。
面接では、前社の退職理由、入社(勤労)意欲の高さ、生活面も含めて基本的な習慣やモラルに問題はないか、一緒に働ける人物かなどを聞き出し、慎重に判定する必要があります。
新卒採用がますます困難になる中、第二新卒という選択肢を持っておくことは重要です。ただし、採用に当たっては戦力になるようなスキルは持っていない前提で考えなければなりません。新卒社員と同様の教育・育成プログラムが必要でしょう。

今後、新卒採用も9月卒業生への対応や海外大学からの帰国学生の採用などが増えてくると、4月1日付けの一括採用から通年型採用に変化してくるでしょう。人事(採用)担当者が先頭に立って、全社共通の採用目標で人材確保をすることです。
そして、採用した人材の能力、最新の知識と個性を尊重しつつ指導・教育、実務を体験することで御社の企業風土(社風)にあった真の実力を持った人財へと育てましょう。結果が出るまでに時間がかかります。それでも採用した社員が配属先で健闘している姿を見る時、人事(採用)担当者にとっては苦労が報われます。
 

Topics : Googleのスマート・クリエイティブ

働き方改革で、働く時間を短く効率的にしたとしても、一日8時間、ひと月160時間、年間1,800時間程度は仕事をします。(有給休暇の取得率が上がればもう少し短くなりますが)
睡眠や食事・入浴を除いた時間の大半は(通勤時間を含め)かなりの割合を職場にいて仕事をしているわけです。仕事を通じて自分や同僚が成長できる職場環境や仕事のやり方を追求することにはとても価値があります。
先進企業での取り組みを知り、それを目標(ベンチマーク)に個人・職場で取り組みをしてはいかがでしょうか?
2014年に”How Google Works” Eric Schmidt & Jonathan Rosenbergという本が出ました。序文は、Larry Page(CEO兼共同創業者)が書いています。
(翻訳は『How Google Works グーグルはこの方法で成功した!』日本経済新聞社 2014)

この中に出てくる話を紹介します。
最高の仕事をするために、自分たちを最高の人財へと成長させ、チームを構成することを組織全体で取り組んでいるのです。スマート・クリエイティブとは、具体的に「ビジネスセンス」「専門知識」「クリエイティブなエネルギー」「手を動かし業務を遂行する姿勢」を指しています。個人がその強みを発揮し組織として弱みのないものにする、こうしてできたチームにおいてさらにお互いの強みを活かしてもう一段上の仕事の出来栄え水準を目指していく。スパイラルに上昇するイメージです。一人ひとりの頑張りと相互理解によるチームプレーによって、たとえば仕事の成果をあげていくのです。
例えば、個人として「専門知識」を深める努力をしてもその専門性を周りが理解し、使ってもらわなければ生きてきません。「ビジネスセンス」が弱点だと思っている人にとってもチームでプレーしていく中での学びによって、弱点を強みにまでできなくても普通のレベルにすることは可能です。周りが「クリエイティブなエネルギー」を発して活動していれば、自然と自分にも伝染してきます。そして、頭で考えるだけでなく実際に「手を動かす」ことによって目標を達成させていくのです。
ぜひ、職場でこんな働き方をしたい、こんなチームにしたい、という意見を出し合って仕事を通じて個々人が成長する職場環境を作ってください。

次回「第40回 新卒がすぐに辞めない採用方法はあるのか?は6月15日掲載の予定です。
大庭純一

Jerry O. (大庭 純一)
1956年 北海道室蘭市生まれ、小樽商科大学卒業。静岡県掛川市在住。
ドラッカー学会会員。フリーランスで、P.F.ドラッカーの著作による読書会、勉強会を主催。
会社員として、国内大手製造業、外資系製造業、IT(ソフトウェア開発)業に勤務。
職種は、一貫して人事、総務、経理などの管理部門に携わる。社内全体を見通す視点、実働部隊を支える視点で、組織が成果をあげるための貢献を考えて行動をした。
・ISO9000s(品質)ISO14000s(環境)ISO27000s(情報セキュリティー)に関しては、構築、導入、運用、内部監査を担当。
・採用は新卒、キャリア、海外でのエンジニアのリクルートを担当。面接を重視する採用と入社後のフォローアップで、早期離職者を出さない職場環境を実現。
・グローバル化・ダイバーシティに関しては、海外エンジニアの現地からの直接採用、日本語教育をおこなう。日本人社員に対しては、英語教育を行う。
・社内教育では、語学教育のみならず社内コミュニケーションの活性化、ドラッカーを中心としたセルフマネジメント、組織マネジメント、事業マネジメントを指導。

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